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近鉄百貨店草津店

なぜ、日に当たり続けると、肌は黒くなるのか

2022.03.10

日に当たれば、肌が黒く変色します。

このことを私たちは「肌が焼ける」と表現します。

「焼ける」という表現のためでしょうか。

火であぶって、黒焦げになった状態のように例えられた言葉です。

本当に肌が熱を伴って日によって焼けていると思われていますが、そうではありません。

焼けるというのは、あくまでたとえた表現であり、正確な状況を表しているわけではありません。

では、実際はどういう状況なのでしょうか。

なぜ紫外線に当たると、肌は黒くなるのか。

一言で言えば「紫外線から身を守る防御反応」です。

紫外線を浴び続けることは、皮膚にとって悪いことです。

紫外線が肌の奥まで入ると、コラーゲンやエラスチン繊維を破壊して、皮膚組織にダメージを与えます。

炎症や水ぶくれなどの原因になります。

また、細胞の遺伝子であるDNAを傷つけてしまい、皮膚がんのリスクを高めるなど、健康被害を与えてしまうのです。

そこで、皮膚は紫外線を感じ取れば、肌の奥のある細胞が動き始めます。

「メラノサイト」という細胞です。

メラノサイトは、メラニン色素と呼ばれる黒い色素を作る工場です。

なぜ黒い色素を作るのかというと、紫外線を遮るためです。

紫外線は、黒い色素に吸収される性質があります。

メラノサイトが作り出すメラニン色素という黒いバリアーによって、紫外線の侵入を防ぐ働きがあります。

海に泳ぐタコを怒らせると、黒い墨を吐く様子と似ています。

メラノサイトも、紫外線という刺激を受けて怒らせると、黒いメラニン色素という炭を吐き出し始めるのです。

メラニン色素はしみの元にもなるためか、悪いもの扱いされていますが、私たちの体になくてはならない存在です。

もしメラノサイトがなければ、私たちの体は真っ白になります。

ほんのわずかな日光に当たるだけで、紫外線によって細胞のDNAが傷つき、健康被害を受けてしまいます。

とてもではありませんが、日中、日光の下で活動することができなくなります。

私たちが健康的に暮らせているのは、メラノサイトがあるおかげです。

日光に当たって肌が黒くなるのは、実際に焼けているのではなく、体を守っている正常な肌の防御反応なのです。

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